内視鏡について
(経鼻内視鏡=鼻からの内視鏡も
 導入しています)

 

     

当クリニックでは、上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ
です)と下部(大腸)内視鏡の両方ともお受けいただけます。

上部内視鏡検査は、お電話でも予約可能です。日ごろ胃の
調子が悪い、胃や大腸の検診で異常を指摘された、血便が
あった、などなど、ご相談いただければ 検査を
お受けいただけます。

上部内視鏡をお受けになる手順

できましたら一度ご来院いただき、検査の内容や飲んでいる
お薬などをお聞きしてから予約を取ることが望ましいですが、
一度当院で検査をお受けになったことのある方や、どうしても
痛みが強いのですぐ検査したい、という方はお電話での予約や
医師の判断により 当日の検査を受けていただくこともあります。

内視鏡を受けることになりましたら、まず、

鼻(経鼻内視鏡)か口(従来からの方法)かをご相談します。

院長コラムにも書きましたが、20代、30代の若い方や、以前、
内視鏡でつらい思いをされている方は鼻からの内視鏡を
お勧めしています。

また、当院では苦痛のない内視鏡を目指しておりますので
患者さんのご希望にもよりますが、なるべく鎮静剤
使用するようにしております。

その場合は 検査の当日 お車での来院はご遠慮いただくように
いたしておりますので ご了承ください。

口からの内視鏡も、当院は熟練した医師が最も細いスコープで
行いますので、以前にも口でご経験されている方でしたら、
まったく抵抗なくお受けいただけると思います。

検査までのお食事は、前日は普通に食べていただいて
結構です。ただし9時以降、深夜になってからは水分のみと
していただきます。

 検査当日は水分はお取りいただいても大丈夫です。
お薬も、血圧や不整脈などの薬はお飲みいただくようにして
います。
(ご不明の場合は院長、またはスタッフまでお尋ねください。)

口からの内視鏡の場合

まず、胃の中の泡や粘液を取り除くシロップをおのみ
いただいたあと、のどにゼリーとスプレーによる麻酔をします。

その後、胃の動きを和らげたり、唾液を少なくする注射をします。
(前立腺肥大や緑内障、不整脈などのご病気のある方は、別の
種類の注射をすることもあります。またご高齢の方は、安全性
の面から、注射をしないこともあります。)緊張しやすい方は、
事前にご相談の上、リラックスできるように、軽い鎮静剤の
注射をします。

鎮静剤の注射を受けた患者さんの場合は、検査中の血圧や
呼吸状態を見るためにモニターの器具をつけさせていただき
ます。

その後、ベッドに左下に横になっていただき、マウスピースを軽く
かんでいただいたら、検査医師がモニターでのどをみながら、
静かに挿入します。

コラムにも書きましたが、のどの奥、舌の付け根の当たりに
スコープが触ると、げーっとなる(おう吐反射)ため、ここに
なるべく触れないように、患者さんの呼吸にあわせて、入れて
いきますので、決して無理に飲み込んでいただく必要はなく、
ほとんどの方が抵抗なくスムーズに入っていきます。

のどを超えて、食道、胃、十二指腸と観察していきます。
胃に入ると、胃の中に空気を入れて、膨らませていきながら、
観察しますので、おなかをきつくしめる服装をされていると、
少し苦しく感じられます。検査当日はなるべくゆったりした服装で
来院下さい。

撮影が終わったら、胃の空気を抜いて、食道、のどと観察して
検査はおしまいです。麻酔が覚めて落ち着くまで内視鏡室に
ある別の回復ベッドで少しお休みいただいてから、診察室の
モニターで撮影した写真を見ながら、結果の説明を聞いて
いただきます。

鼻からの内視鏡の場合

鼻からの検査をご希望された方は、まず 鼻の奥のむくみをとる
薬の点鼻をします。

胃と同じく、胃の泡や粘液を取り除くシロップを飲んでいただいて
から 右左の鼻のうち、広い方を選んで、ゼリーを注入して、麻酔
をします。

次に、麻酔のゼリーを塗った、細いやわらかいビニールの管を 
鼻に静かに 挿入し、カメラが入るルートを広げます。はじめ、
細いもの、つぎにちょうどカメラとほぼ同じ太さのチューブで
広げて、カメラが入っても 痛みを感じないように準備します。

最後にのどにスプレー麻酔をかけて、準備完了です。

このあと、 医師が、内視鏡を静かに入れていきます。

決してむりにぐりぐり入れることはありませんので、
痛みはほとんどありません。

鼻を超えてしまえばあとは口からと同じですが、舌の近くを通らない分、
圧迫感が少なく、楽です。のどを通過する際、やや違和感がありますが、
ほとんど抵抗なく入っていきます。

患者さんは検査中もお話ができますし、モニターをみてご質問すること
も可能です。

検査医と会話しながら検査ができますので精神的にも楽、という方も
いらっしゃいます。

経鼻内視鏡はきわめて細径なのですが、通常の内視鏡と同様に
写真撮影や組織精密検査なども可能です。検査にかかる時間は、
麻酔に10分くらい、検査も10分前後で終わります。

口からの検査より苦痛が少ないため、鎮静剤を必要としない方も
多いのも特徴です。

 
 

大腸内視鏡について

健診で便鮮血反応が出た方、以前に大腸ポリープといわれた方などは大腸の内視鏡検査が必要となります。

手順は次の通りです。

まず前の日に大腸内視鏡用の検査食をお召し上がりいただきます。これで検査当日排便しやすくなります。(検査食は保険適応外ですので、800円ほどご負担いただくことになります)

食事はお昼と夕食の2回と間食の分で、あらかじめお渡しいたしますので、ご自宅で食べていただきます。夜は下剤の水薬を1本のんでお休みください。

当日朝からクリニックに来ていただいて、15分ごとにお声かけしますので、腸をきれいにする洗腸剤の水薬を一回につきコップ1杯ずつ、合計1リットルお飲みいただきます。

飲み終わるころから、ほとんどの方は水のような便がすこしずつ出てきますので適宜お手洗いに行っていただきます。

強い下剤のたぐいではありませんので、ほとんど腹痛が起こる心配はありません。

(実は院長も以前一度検査を受けたことがあります。病院によっても違いますが、かつてはほとんどの施設で計2リットル飲んでいただいて検査していました。ビールならのめるんだけど−−とおっしゃる方もいますが、2リットルを飲み終えるのは、実際のところかなりくるしいので、当院では前日の検査食を導入し、当日は1リットルで済むようにしました。)

こうして、お昼少し前には腸はほとんど空っぽになり、さらさらした水のような排便のみになれば準備完了です。

検査室に移動していただき、検査衣に着替え、点滴をします。その後検査室に左下になってお待ちいただきます。点滴のラインから痛みとめの薬剤を入れてから検査を開始します。

おしりから静かに内視鏡を挿入し、腸の中を観察しながら、奥に進めていきます。腸の曲がり角に差しかかると、2,3箇所くらい、圧迫感や押される感じがありますが、そのつどこちらからもお声かけしていきます。この箇所をすぎると、また腸は楽になります。右下腹の盲腸部まで、内視鏡が入れば、あとはポリープなどないかどうか観察、撮影しながら内視鏡を抜いてきて検査はおしまいです。

検査後は30分ほど、観察ベッドでお休みいただき、痛みとめの麻酔の効果が取れましたら、点滴を抜いてもらって、着替えをして、診察室で内視鏡の写真をお見せしながらご説明します。

ポリープなど見つかった場合は、小さいものであれば、その場で組織検査もかねて取ってしまうこともあります。その場合は点滴の中に止血剤を入れます。検査の間は処置室の中にお手洗いや観察ベッド、更衣スペース、ロッカーなどご準備しており、プライバシーには十分配慮させていただいています。

特殊な検査  

当院では内視鏡で病気が見つかった場合、その場で、色素散布、組織の検査(生検)などの精密検査も行うことができます。

大腸検査のとき、3〜4mm程度の小さいポリープの場合は組織の検査と同時に取ってしまうこともあります。その際の注意事項としては、検査の後の出血があります。

事前に、血液をさらさらにする薬(抗凝固剤といいます。ワーファリンやバファリンなどがあります)を飲んでおられるかどうかを確認します。また組織検査の後は粘膜保護剤や止血剤の注射をして出血を予防します。

ピロリ菌の検査について

当院では、(院長こらむにも書きましたが)胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者さんを中心に積極的にピロリ菌の検査および除菌治療を行っています。ピロリ菌の有無の検査はいろいろな方法がありますが、当院では安全性と感度に優れた、抗体法(採血)と呼気テスト法の2法を適宜使い分けています。詳しくは外来にてご説明いたします。